【美術展】ハイパーマルチクリエイターダリを満喫(ダリ展@国立新美術館)
六本木 新国立美術館でダリを見てきた時のメモ。
シュルレアリスムの代名詞、と言っても過言じゃないと思う、ダリ。
時計が溶けている絵なんかは有名なので、
すぐに思い浮かべることができる人ばかりではないでしょうか。
私は、映画史について齧ってきた人間なので
ダリといえばルイス=ブニュエル、
「アンダルシアの犬」や「黄金時代」
の印象が強かったんだけれど、それ以上のマルチな才能っぷりにおののいた。
とにかく人が多すぎて、有名な抽象画をじっくり見ることはできなかったんだけど
結果、私のハートをぶち抜いたいくつかのモチーフがあったので
記録替わりに書いてみる。
■舞台制作コーナーは異次元と現実の融合っぽくておすすめ
これはもう好みの問題なのですが……。
事前になんの知識も入れていなかったので、
舞台美術や衣装のセンスが好き。
『狂えるトリスタン』
バレエ・リュスの舞台制作。衣装がココ・シャネル。
毒毒しい配色と、真ん中上部にあるメデューサっぽいモニュメントが不吉。
この作品は最終的に「バッカナーレ」というタイトルで公演されているそう。
ちなみに「バッカナーレ」とはお酒の神様「バッカス」を称えるお祭りだとか。
酒の神といえば「デュオニソス」だと思ったけれど
こっちはギリシャ神話での名称か。
酒と禍々しさが絡むとどんな舞台になるんだろうか。
あと、ヒッチコックの「白い恐怖」の夢のシーンもダリが手掛けていたり
なんと、天下のディズニー作品にも携わっているんだとか……!
平面上ではいくらでも想像の力を働かせて作り上げられる世界。
映画・・・・・・は見せ方次第でどうにかなるので置いておいて、
舞台、同じ次元で、生身の人間を見せていかなければいかないという制約の中、
ダリはどんな風に世界を組み立てたのかなというのが興味深い。
彼が、「現実」と「夢」との接点を作ることが出来る人であるということが
魅力だと感じました。
■ダリと「不思議の国」
ダリが「アリスインワンダーランド」の挿絵を手掛けたという話も
世界観がマッチしすぎていて目が釘付け。
ルイス・キャロルの原作自体が奇想天外。
私の中ではやっぱりディズニーのアリスの世界観が一番身近なんですが
ダリが書くといちいち禍々しい。
ゴシックロリータ界隈でも描かれるアリスは
良い意味で装飾的で可愛いんだけど、
ダリが描くアリスは、不安しか煽らない挿絵。
でも改めて考えると人間が大きくなったり、ムカデがいたりクロケットしたり
アリスの世界ってダリが描く世界以上にシュールな設定。
改めてみていると、とても良いコラボレーションでした。
挿絵に描かれるアリスは、全部縄跳びをしていたんだけど
何か理由があるんだろうか。・・・・・・
■ジュエリーまで作っている
ダリがジュエリーを手掛けていることはまったく知りませんでした。
今回の展示ではわずか5点の展示。
とても繊細で、美しかったです。
「溶ける時計」でおなじみの原画は「記憶の固執」というタイトルなのですが
こちらもなんとびっくり、ジュエリーになっていた。
立体化している。立体化して、やっぱり溶けていた。
溶けた時計をどう自分の身に着けていいのか、さっぱりわからない。
※パルファムの容器もものすごく可愛かった。
■エグいタロットがかっこいい。
どうやらダリは『タロット・ユニバーサル・ダリ』というタロットも
デザインしているらしく、物販で初めてその存在を知り触ってきた。
どうやらその筋の人からは人気らしい、
有名絵画をコラージュした遊び心満載のやつです。
手元に置くと呪われそうな勢いだったので購入は諦めたのですが
今思うと観賞用に買っておけば良かったかな。
(樋口さんが1枚飛んでいくものをその場で決済できなかった
財力が悔しい。)
どうせ買うならクリムトのほうが色気があって好みだとも思っています。
■スーパーマルチクリエイター
1900年代以降のアートには現実的にお金の香りがするなあ、
と思ってみていましたが、ここまでなんでもこなす芸術家は
当時なかなかいなかったのでは……。
※どうやらチュッパチャップスのロゴもダリ制作らしい。
これから「芸術新潮」でも読んで
その背景について追ってみようと思っていますが
自分の売りがはっきりしている人は
何やらせても俺色に染められるんだろうか。
良いのか悪いのか、わかんないけど。
あと、おそらくダリ(とその妻ガラ)は
手にしたお金でえげつない世界観を作って豪遊している感じが見受けられたので
人生そのものがアートっぽくてたまらないなと思いました。
「日常すら芸術」だったから
ここまでなんでもこなせたのではないだろうか。
■(おまけ)入場列に40分かかると心得よ。
友達がチケットを余らせていたので、
今回の展覧会に行くことが出来ました。何をお礼に包もうかな……。
チケットを頂くときに入場までにとっても並ぶよと聞いて覚悟したら
やっぱり40分並びました。ディズニーランドかな?
【つれづれ】60日間文章の赤入れを続けて気が付いた、コミュニケーションがうまく取れない理由
足りないコトバで伝わるはずなんてない。
「自分のことは説明なんかしてなくても理解してくれる」
思った以上に相手に伝えるのは難しい。
コミュニケーション上手ってなんだろう
別に批判するわけではなく、これが若者のスタイルなのかなあ。
【読書】美学を貫きたい
急に、「戦後史をまとめてほしい」という話が舞い込んできた。
高校のときの選択授業が「世界史」。
どうにも苦手な「日本史」の授業を避けていたのだけれど、
ざっと歴史を辿ってみるとやっぱり興味深くてついついのめり込んでしまった。
物事には、流れがあると思うのだ。
いくらああしたい、こうしたいともがいたところでも、
どんなに正しいことをしていたとしても、
強烈な個性を持っているわけでも無い限り、
時流に乗らなければ相手にされることもない。
歴史とは違う話になるのだけれど、
2010年に「人間活動」をしたいと言って一線を退いた宇多田ヒカル。
約6年ぶり(!)に復活した彼女の新譜をまだ聴けていないのだけれど、
ネットの評判を見る限り「めちゃめちゃ好評」だ。
彼女なんかは、まさに強烈な個性の持ち主。
90年代後半のデビュー時の印象なんかは絶大で
あの小室哲也にも「小室ファミリーのブームを終わらせたのは彼女だ」
と言わせているほど、と聞いたことがある。
彼女ほどの個性があれば、時代の流れだって変えてしまうことができる。
でも、そうでもない私たち、は時代の流れを読みながら
その中でオンリーワンの自分として輝けるニッチな居場所を見つけるしかないのだ。
戦後史の調査をしていた時に、ちょうど私の前に現れた1冊の書籍があった。
……恥ずかしながら、政治の世界にも、この業界にも疎い私は
はじめて彼の存在を知り、惹き込まれるように読んでしまった。
ヤクザもの、マフィアもの、任侠ものが苦手で
小説、映画問わずこの手のものを読んだことがないというのに。
その理由は、彼の「弱きものを助ける」他者のためを慮る姿勢だったり、
「筋が通っていないもの」に対して嫌悪感を抱く人柄だったり、
最期まで「自分の理想」に忠実にあった生き方に
たまらなく魅力を感じたからだと思う。
念のために言っておくと私は「中立」の立場を取るのが好きで、
政治的な思想に関してもどちらに寄っている、ということはない。
思想、と、人としての魅力、というのは違うでしょう。
彼の場合、(少なくとも彼が生きた時代は)
WEBを通して個人の意思が流れ出る時代でもなかったから
メディアの価値が今以上に高くなっていて
決して時代に愛されてはいる、というわけではなかった。
でも、ある意味不器用だとしても
極限まで自分の美学を貫くという姿勢は
少なくとも私の心をガンガンに突き動かしている。
なんなら、「戦後史」について調べる機会が無かったら、
この本だって読もうと思ったかはわからないと思う。
そこも含めて私自身、流れに乗れたのかなあ……と思っていて、
ピンときたところは勘がいいじゃん、と褒めてやりたい。
はじめに
こんばんは、さとうと申します。
おそらく日本で一番多い苗字なので、
差別化を図るために「さとうさん」という
ブログネームにさせて頂いております。
「セールスコピーライター」・「ライター」
として活動しています。
商品の良さをぐぐっと引き出し、必要とする人にアプローチ、
売上UP、問い合わせUPといった成果をご提供します。
また、「TPIE」などの心理学やゴール設定の方法、傾聴力についても学んできたので、
単にものを「売る」だけではなく「心を整える」面でのサポートも得意です。
社会人としては、
営業企画を考えたり、モノを売る方法を考えたり、進行管理をしたり。
ほんの少しだけ営業をしたり、そして駆け出しで編集企画の仕事をしています。
朝から晩まで、休日を潰してまでがむしゃらに働く日々と決裂し、
メリハリをつけ、さくさくと。
風のように、流れるように仕事をする生活にきりかえたいと
考え始めたアラサーです。
友人からは
「視点が鋭い」とか「女子かと思ったらサムライだった」とか
「客観しかない」とか「キレッキレ」とか
「能◎◎◎子のTwitterを見るとお前を思い出す」(恐れ多すぎる、光栄です)
などと言われますが、
私自身は
「思ったことに素直に(でも口に出すならマイルドに)、人生笑って生きたい」
と思っています。
このブログは
決して堅苦しい雰囲気の場所にしたいわけではなく、
今まで生きてきて、
たくさんの方から学ばせてもらったり、
教えてもらったり、
助けてもらったりして
自分の中に出来てきた「蓄え」を外に出していく場にしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。