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プリンシプル

文章に真正面から携わるおシゴト人間の逃げ場

【読書】美学を貫きたい

読書 つれづれ

急に、「戦後史をまとめてほしい」という話が舞い込んできた。

 

高校のときの選択授業が「世界史」。

どうにも苦手な「日本史」の授業を避けていたのだけれど、

ざっと歴史を辿ってみるとやっぱり興味深くてついついのめり込んでしまった。

 

物事には、流れがあると思うのだ。

いくらああしたい、こうしたいともがいたところでも、

どんなに正しいことをしていたとしても、

強烈な個性を持っているわけでも無い限り、

時流に乗らなければ相手にされることもない。

 

歴史とは違う話になるのだけれど、

2010年に「人間活動」をしたいと言って一線を退いた宇多田ヒカル

約6年ぶり(!)に復活した彼女の新譜をまだ聴けていないのだけれど、

ネットの評判を見る限り「めちゃめちゃ好評」だ。

彼女なんかは、まさに強烈な個性の持ち主。

90年代後半のデビュー時の印象なんかは絶大で

あの小室哲也にも「小室ファミリーのブームを終わらせたのは彼女だ」

と言わせているほど、と聞いたことがある。

彼女ほどの個性があれば、時代の流れだって変えてしまうことができる。

 

でも、そうでもない私たち、は時代の流れを読みながら

その中でオンリーワンの自分として輝けるニッチな居場所を見つけるしかないのだ。

 

 

戦後史の調査をしていた時に、ちょうど私の前に現れた1冊の書籍があった。

激しき雪 最後の国士・野村秋介

……恥ずかしながら、政治の世界にも、この業界にも疎い私は

はじめて彼の存在を知り、惹き込まれるように読んでしまった。

ヤクザもの、マフィアもの、任侠ものが苦手で

小説、映画問わずこの手のものを読んだことがないというのに。

 

その理由は、彼の「弱きものを助ける」他者のためを慮る姿勢だったり、

「筋が通っていないもの」に対して嫌悪感を抱く人柄だったり、

最期まで「自分の理想」に忠実にあった生き方に

たまらなく魅力を感じたからだと思う。

 

念のために言っておくと私は「中立」の立場を取るのが好きで、

政治的な思想に関してもどちらに寄っている、ということはない。

思想、と、人としての魅力、というのは違うでしょう。

 

彼の場合、(少なくとも彼が生きた時代は)

WEBを通して個人の意思が流れ出る時代でもなかったから

メディアの価値が今以上に高くなっていて

決して時代に愛されてはいる、というわけではなかった。

でも、ある意味不器用だとしても

極限まで自分の美学を貫くという姿勢は

少なくとも私の心をガンガンに突き動かしている。

 

なんなら、「戦後史」について調べる機会が無かったら、

この本だって読もうと思ったかはわからないと思う。

そこも含めて私自身、流れに乗れたのかなあ……と思っていて、

ピンときたところは勘がいいじゃん、と褒めてやりたい。

 

 

激しき雪 最後の国士・野村秋介

激しき雪 最後の国士・野村秋介